北島迷店街 No.5「まるやま料理店」

「仕出し」という言葉を聞くだけでウキウキする世代は、
40歳より上くらいでしょうか。刺し身、天ぷら、茶碗蒸し…。
子どもの頃、大好きだったご馳走の記憶が、
その言葉にはしっかりと染み込んでいる気がします。
「仕出し」の記憶は、親戚・家族がだんらんする
光景ともつながっていて、その需要が減っていると聞くと、
親戚や家族との時間の過ごし方の変遷を
思わずにはいられませんでした。
山田さんの丁寧で洗練された仕事は、豊かな風味とともに
多くの人の縁もつむいできたのだと気づき、
じんわりと感動がこみ上げてきた夜でした。